若い世代への就業支援

労働省
出典元:写真AC

高齢者就業率の上昇

10月19日の敬老の日を前に、厚生労働省は、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の90,526人になったと発表した。

昨年から4,016人増え52年連続増加だ。厚労省によると、21年の日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳で高齢化が進んでいる。

総務省が敬老の日を前にまとめた2021年の65歳以上の就業者数は、20年比6万人増の909万人と、18年連続で増加し、過去最多を更新した。

就業率は25.1%、65~69歳の就業率は50.3%で、初めて5割を超えた。

9月15日時点の人口推計によると、65歳以上の高齢者人口は3,627万人と過去最多だった。総人口に占める割合は過去最高の29.1%となた。

因みに世界の主要国での21年の高齢者就業率は、韓国34.9%、米国18.0%、カナダ12.9%、英国10.3%、ドイツ7.4%だ。

日本の人口減少、労働力人口の減少が続く中、高齢者の労働参加を促し増加させていくことは、絶対に必要である。

現状、働く高齢者の75%程度が非正規雇用であることを考えれば、高齢者の持てる経験・能力をもっと活用できるような雇用環境の整備をいかに図っていくかについて、政府・企業、日本全体が知恵を出していかねばならない課題である。

若い世代の就業支援

国立社会保障・人口問題研究所の2021年「出生動向基本調査」によると、未婚の男女(18歳~34歳)のうち「いずれ結婚するつもり」という人は、男性で81.4%、女性が84.3%と過去最低になった。

結婚意向のある女性が希望する子供の平均数は1.79人と初めて2人を割り込んだ。男性も1.82人だ。

未婚率の上昇と夫婦が持つ子供の数の減少は、2021年の出生数を約81万人にまで減らした。

未婚化や少子化の傾向は以前から続いていて問題となっているが、このままでは、日本は経済力・国力がだんだん衰えて小国への道をたどっていってしまう。私どもは危機感をもって対処する必要があると考える。

若者を後ろ向きにさせている要因を詳しく調査・分析して、若い世代が将来に明るい展望を持ち、自分の希望を叶えられるよう人生設計を立て、その実現に向け明るく前向きに努力していけるようにしたいものだ。

それにはまず、若い世代への就業支援が求められる。収入が不安定では、結婚や出産を望むことはできない。

アルバイトや不定期雇用の非正規雇用を脱し、正規雇用への転換や成長業種への転職・移動が可能でなければならない。生産性向上を通じた企業の着実な賃金引き上げも不可欠である。

日本は失われた30年といわれるように、淘汰廃業すべき企業に対して保護・支援策を行って、そのような企業を存続させてきた。そのため生産性向上を図ることが出来ず、賃上げもできず、競争力を失っていった。

こんな過去の厳しい反省の上に立って、新しい日本の再構築をおこなっていこう。岸田政権が掲げる「新しい資本主義」において是非改革をしてもらいたい。

IT系職種の強化支援

IT系 職種
出典元:写真AC

コロナ禍は私どもの生活や働き方を変化させた。在宅勤務やリモートワークは増加し、働く場所を自由に選択できるようになってきている。明らかになったIT化、デジタル化の遅れを挽回すべくデジタル庁が設置されたし、企業もIT人材の採用・育成に注力している。

IT職種はパソコンされあれば、自由にどこでも仕事ができる。自分のライフスタイルに合わせて、仕事ができることは大きな強みである。

また女性の場合も、育児と仕事、家事と仕事を両立させることが出来るメリットがある。

このように自由度のある働き方が可能なIT系職種を強化、育成していく政策が、若い世代の就業環境を改善し、若者にとって望ましい支援となるだろう。

8月の内閣改造で3代目のデジタル相に就いた河野太郎氏は「デジタル改革は最大限加速して実現する」と9月9日の閣僚懇談会でこう宣言した。

デジタル庁発足から1年が経つ。デジタル庁は21世紀の日本の国の形を決める非常に重要な事業だが、残念ながらその歩みは遅い。

情報元:日本経済新聞電子版

コロナの入院給付金、支払い対象者の見直し

コロナの入院給付金

コロナ入院給付金

生命保険協会は、今年の生保各社の医療保険入院給付金支払い総額が、6月末までに約2893億円に達し、昨年1年間の支払い額のすでに4.6倍にあたる金額になっていることを発表した。
このうち9割、2650億円が無症状者をふくめた「みなし入院」感染者からの請求だった。
現行の保険制度では、軽症や無症状でも保健所の療養証明書があれば、医療保険の入院給付金を受け取ることができる。感染者の急増で病床があふれ、医療機関が逼迫する事態を防ぐため、自宅や自治体が指定するホテルで療養している人を実際の入院と同等に扱う「みなし入院」と呼ぶ措置を講じているためだ。
コロナ感染者になって、10日間の自宅療養を行えば、自宅療養でも入院給付金、入院一時金、特定感染症診断一時金と合計50万円も出るケースもあるという。
もちろん、これは新型コロナが第2類相当という扱いになっているためだ。
第7波で軽症や無症状の感染者が大半を占めるようになり、保険金目当ての検査が増えているという噂もある。給付金の受け取りを目的に、感染の疑いが出てから保険加入を申し込む事例もあるという。

もっとも民間の保険だから、加入者も保険料を支払っているわけで、実際に陽性になれば10日間、出社できないわけだから、その間、身体を休めつつ、コロナ保険で数十万円頂くこととの損得計算をした上での申請であろう。

 

入院給付金対象の見直し

軽症や無症状の感染者への支給が急増していること、また支払業務にあたる人員のやり繰りなど業務面の負担も重くなっている、そして感染症第7波の請求が秋以降に本格化すれば、支払額はさらに膨らみ、業績への影響も無視できなくなってきている。

このため日本生命保険や第一生命保険の大手生命保険会社は入院給付金対象者を見直す検討に入った。早ければ9月下旬から新たな基準を適用し、対象を65歳以上の高齢者や妊婦など重症化の恐れが高い場合に限定する。

新たな基準になれば、入院給付金を受け取れる対象者はこれまでより7割前後減る見通しだという。

日本は「衰退途上国」?

感染者の急増で医療機関が逼迫する事態への根本的な対策を怠って来たこと、その結果が、「みなし入院」措置を講じることになった経緯を顧みれば、今回の対象見直しは誠に場当たり的弥縫策の対応でありすっきりしない。
我が国は何事においても将来を予測・検討して必要な対応策・解決策を講じようとしないで、小手先の解決を図るやり方で対処してきている。これで先進国と言えるのだろうか?
今年5月に行われた日本経済学会春季大会のパネル討論で、パネリストの一人が日本は低い成長率を続けて世界から取り残されていく「衰退途上国」になってしまったと指摘したそうだ。
今日の対外的な大きなショックがあっても、企業の90%余を占める中小・零細企業は、価格転嫁すれば製品が売れなくなって倒産しかねないと、値上げをおこなわない。そのツケは結局賃金の抑制になってしまい、「衰退途上国」から脱却できない状況が継続していくことになる。

どのようにして、「衰退途上国」から脱却するのかに関して、当該日本経済学会は「ワイズスペンディング」が必要だということと、積極財政では成長率は高まらないということを指摘している。

人的資本

「人的資本」が今はやりのキーワードになっている。

多くの大企業が人的資本を高めようと、社員のリスキリングに取り組み始めているが、解決すべきは中小企業の雇用をどうするかということだ。

岸田文雄首相が掲げる「人への投資」がワイズスペンディングになるのだろうか?

政府が打ち出す具体的政策を注意深く見守っていこう。

睡眠の悩みを解決しよう

睡眠
コロナ禍で睡眠の悩みを抱える人が増えているという。

どのようにしたら、自分の睡眠の質を改善できるかについて、一度見直してみよう。

厚生労働省は健康づくりのための睡眠指針2014にて~睡眠12箇条~を発表している。

健康づくりのための睡眠指針 2014 ~睡眠 12 箇条~

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。

2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。

3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。 

4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。 

5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。 

6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。 

7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。 

8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。 

9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。

10.   眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。

11.いつもと違う睡眠には、要注意。 

12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

引用元:厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針 2014  ~睡眠 12 箇条~

この指針はその後、厚生労働省のスマートライフプロジェクトでアップデートされているので、その要旨をみてみよう。

課題1:日本人の睡眠時間が短いこととその弊害

就労者の平均睡眠時間を比較すると、ヨーロッパ諸国が男女ともほとんど8時間を超えているのに対して、日本の場合は男性が7時間52分、女性が7時間33分と短い。

慢性的な寝不足は、生活習慣病のリスクにつながる。つまり、睡眠をしっかりとることで生活習慣病の予防になる。

寝不足の状態では注意力やパフォーマンスが低下し、事故やヒューマンエラーの危険性が上がる。ある研究では、4時間睡眠を数日続けると生産性が徹夜明けの日と同じくらいまで低下するという結果が出ている。

睡眠が足りないことによる損失を、米国のシンクタンク、ランド研究所が試算したところ、日本国内で最大年間1,380億ドル、約15兆円という金額になった。睡眠時間を削って一生懸命働いているはずが、逆に損失を生み出している状況になっていることは問題だ。

課題2:睡眠の質の大切さ

睡眠の質が悪いことも生活習慣病にかかるリスクを高め、かつ症状を悪化させることにつながる。自分の睡眠の質が良いのか悪いのか、判断は難しい。睡眠により十分休養が得られたかどうかといった主観的な感覚での判断も役に立とう。

寝室の環境(温度・湿度・照明・音・寝具)や寝るときの服装は、睡眠の質と関係する。静かで暗く、季節に応じて快適と感じる温度・湿度が保たれていることが大切だ。

就寝前の喫煙や飲酒も、睡眠の質を悪化させるので控える。

コーヒーや紅茶など、カフェインを含む飲み物を寝る前の3〜4時間以内に飲むのも、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったり、途中でトイレに起きたりすることにつながる。緑茶やウーロン茶、チョコレート、ココアなどにもカフェインが含まれているので注意が必要だ。

課題3:午後のパフォーマンスを上げる昼寝

午後の昼寝が眠気で仕事の効率が悪くなることを避けるのに役立つ。

昼寝をする際には、

・午後の早い時間に
┗夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に影響するので避ける

・長さは15分程度にする

課題4:眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう場合

眠りが浅い自覚がある場合は積極的に遅寝・早起きを心掛けると、結果として深く、必要なだけ眠れることにつながる。

課題5:若者の寝不足の原因はスマホ?

厚生労働省が2019年に行った「国民健康・栄養調査」の中で、「あなたの睡眠の確保の妨げとなっていることは何ですか」という質問に対して、20~29歳では男女とも「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」を選択した割合が最も多く、男性では43.2%、女性では42.7%だった。

よく眠るために、寝る前にはスマホやテレビは見ないようにしたほうが良い。

課題6:睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、いびきを家族などに指摘されることで発覚し、治療につながることが多い病気だ。

そのままにしていると、高血圧、糖尿病、不整脈などさまざまな病気が発症するリスクを高めるので、適切な治療を受けてほしい。

参考:厚生労働省スマートライフプロジェクト

まとめ

睡眠に関する正しい知識を身につけ、定期的に自らの睡眠を見直し、適切な睡眠時間の確保、睡眠の質の改善、睡眠障害への早期からの対応によって、からだとこころの健康づくりをめざそう。

なお、生涯元気印のお役立ち情報というブログが、睡眠を含む健康に関して参考になるので確認してみてほしい。私もよく参考にしている。

和田秀樹著「80歳の壁」を読んでの感想

80歳の壁

2022年に入り2月に友人が糖尿病で、そして3月に親友が癌で相次いで亡くなった。二人とも私と同年齢であり、私にとって大きなショックである。

そのうちの一人は、娘が幼稚園児だった時からおよそ50年家族ぐるみのつきあいであった。彼は上場会社の社長として会社経営に成功し、ここ十年近く糖尿病に苦しみ、会社経営を長男にバトンタッチしていた。

日本の高度経済成長期、私ども6家族の仲間は夫婦で金曜日の夜、会社が引けてから彼の家に集まって、家内が主宰するコーラスの練習を行った。

練習もそこそこにして、あとは、各家族が持ち寄った酒と料理を肴に語らったり、ダンスをしたり、カラオケを歌ったりして大いに楽しんだ。今では本当に懐かしい思い出である。

もう一人の親友は小学校の同級生で、現役の開業医として今年まで頑張ってきていた。ゴルフやスポーツジムに通い健康に人一倍気を使っていたので、まさか癌で逝ってしまうとは想像もしなかった。

胆管癌の手術に成功したと思っていたら、既に転移していたため命を落としたと奥さんから聞いた。非常に残念で、心からご冥福を祈る。

80歳の壁を越える最強の方法とは

昨年12月に投稿したブログ「人生を楽しむためのキーワード」にて紹介した和田秀樹著「70歳が老化の別れ道」で、

  • 何事においても、「引退」などしてはいけない
  • 働くことは、老化防止の最高の薬
  • ダイエットをしてはいけない

と前向きに生きていくことの大切さが勧められていた。

私は上記の友の死で一時落ちこんでいたが、今年3月に和田先生の最新作「80歳の壁」(幻冬舎新書)が発売されたことを知り、参考にしようと早速購入し読んだ。

30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わってきた先生は、80歳の壁は高く厚いが、壁を超える最強の方法があると次のように提案している:

  • 食べたいものを食べる
  • 血圧・血糖値は下げなくてよい
  • 癌は切らない
  • おむつを味方にする
  • ボケることは怖くない
  • 運動はほどほどに。散歩が一番
  • 認知症になっても生きる力と知恵は最後まで残る

などなど、要するに、老いを受け入れ、出来ることを大事にするということだ。

特に関心のある癌については、85歳を過ぎた方の遺体を解剖すると、ほとんどの人の体に癌が見つかる。

ここから導かれる選択は、80歳を過ぎたら我慢をしない。好きなことをして気楽に生きる生活の方が、免疫力が高まり、癌の進行を遅くする。癌と一緒に臓器の一部を切り取られると不調や寿命を縮める原因になりかねない。

体力や機能が奪われてしまうと、免疫力や抵抗力が落ちて、ほかの癌の進行を早め、体のあちこちに癌の症状を出現させることになりかねないとのことだ。

闘病ではなく共病という考え方

先生が勧めるのは闘病ではなく、「共病」という考え方だ。病気を受け入れ、共に生きること。癌を手なずけながら生きていくことだ。

高齢者(先生は幸齢者と言っている)に必要なのは、癌で苦しまぬ方法を共に考えてくれる医師だ。

80歳を過ぎるような幸齢者は、手術の必要がない。

年を取れば取るほど、癌の進行は遅くなり、転移もしにくくなる。何もせず、放っておけばよいというのが先生の考えだ。

癌の治療は体へのダメジが甚大で、体力も大きく落ちる。特に幸齢者は元のような生活ができなくなる確率が高くなる。理由は、年を取っているほど、ほかの臓器にも癌がある可能性があるからだ。

壁を越えたら、人生で一番幸せな20年が待っています!との先生の言葉だ。

私としては、世の中の生活環境及び自分の健康状態をそのまま受け入れて、プラス思考で、常に感謝し、好奇心をもって興味あることに挑戦し続け、与えられた人生を全うしたいと考える。

今を生きるために、何が必要か?

ワクチン接種を受ける女性
ワクチン接種を受ける女性

新型コロナウィルス感染が始まって3年目に入った今年には、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は終わるだろうと期待したのだが、残念ながら、変異ウイルス「オミクロン型」の出現で、その可能性はなくなったと言える。

免疫をすり抜ける力をつけたオミクロン型によって、社会が「集団免疫」を獲得するという構想はもろくも崩れてしまった。

ワクチン接種をすれば、個人の感染対策が万全となるわけではない。ワクチンは数か月でその効力が減少してしまう。ワクチンが万能ではないことは明らかだ。

感染しても自宅療養せざるを得ない医療のひっ迫状況がまたも生じている。個人としてやれることは、ワクチン接種に加えてマスクの着用、手洗い・うがいの励行、3密を避けるべく外出を自粛する等の自己防衛策が依然として重要だ。

世界のどこかで大きな流行が発生する状況が、当分繰り返されていくであろう。このような状態があと何年続いていくのだろうか?

日本はコロナの感染者が増え、医療がひっ迫するたびに、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を繰り返してきた。しかし、これまで取られてきた感染症対策や要支援者への対応は、満足できるものとは言えない。

また多額の財政出動も行っているが、国内総生産(GDP)はコロナ前の水準にまで回復するに至っていない。
これは、他の先進国が回復しているのに比べて、日本が潜在成長力を失っていることを意味する。

原油高などによる物価の上昇や金利の世界的な上昇、ロシアとウクライナとの戦争の勃発や北朝鮮のミサイル発射、米中二大国の対立・いがみ合いといった地政学リスクなど、世界情勢は日々変化してきている。

私どもの生活や経済社会活動が今後さらに落ち込んでいかないように、政府の機敏・適切な対応が求められる。

日本経済新聞2月10日付夕刊は、徳島大学が行なった新型コロナウイルス禍による自粛生活が人々に与えた心理的影響に関する調査結果を次のように報じた:「緊急事態宣言の発令が回数を増すごとにストレス状態にある人は減少する一方、社会的な孤立状態に追い詰められたと推定される人は増加した」。

徳島大山本准教授は「自粛生活は人々の社会的孤立を助長する恐れがある。非正規雇用が多いなどで若者や女性は影響を受けやすく、特に心のケアが必要だ」と指摘する。

私どもはどのように対処したらよいのだろうか?

コロナ禍で私どもの生活や働き方は一変してしまった。デジタル化、地球環境の変化に対応する脱炭素化、電気自動車に代表される技術革新、AIやロボット化、在宅リモート勤務、転職・副業・兼業による労働力の流動化、医療や教育面のデジタル化等・・・私どもは大きな新たな変化に順応して、環境に従順に前向きにかつ主体的に明るく生きていく必要があることを痛切に感じる。

特に変化のスピードに追い付いていないデジタル化の遅れについては、私ども各人が必要な知識、技術を学ぶことに積極的に取り組んでいくべきである。パソコンやタブレット端末を1人1台ずつ持たせる「GIGAスクール」構想は、教える立場の先生方のICT(情報通信技術)が低くて実施がスムーズに進展していない。

持て余す端末を返したいとの声が出ている現状は誠に情けない。将来の日本を担う子供たちへの教育こそ最優先課題として強化し、教員のレベルアップ、必要な人材の育成・確保を行っていただきたい。

変化・改革を行うことに慎重すぎる日本の古い体質から脱皮し、日本国民各人は変革への果敢な挑戦を行っていきたいと愚考する。

さもないと、私どもが生きている少子高齢化、人生100年時代を生き抜いていくことは難しいであろう。

 

日本の医療体制と機敏な統治

高齢者女性に話しかける男性スタッフ

 

新型コロナウイルスの2月6日の新規感染者は全国で約8万9000人で、6日連続で8万人超となった。東京都は日曜日としては最多の1万7526人で、大阪府も1万3325人に上った。感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。

コロナ禍で既に2年もたつが、医療体制は一向に改善されず、入院もできずに自宅療養するしかない感染者が増加している。コロナ危機にきちんと対応できない情けない現状は、なんとかしなければならないと考える。

医院のほとんどを占める小規模経営の医院は「医は仁術」ならぬ「医は算術」に走り、他人を思いやる利他のココロ・精神が忘れられていて、誉められない有様と思えてならない。

コロナ医療体制、社会保障制度改革など直ぐにも取り組まねばならぬ重要な課題は山積している。

この国の弱点である「決められない」「先延ばしにする」体質を危機の今こそ改めて、真剣に取り組む必要があると愚考する。

スピード感にかける政治・行政に対する改善策としては、日本経済新聞2月1日電子版に紹介されている台湾やインドにおけるアジャイルガバナンス(機敏な統治)の事例が大いに参考になると思う。

台湾では行政院のサイト「公共政策オンライン参加」を通じて年齢に関係なく市民が独自の政策アイデアを投稿できる。5000人の賛同を得た提案は省庁の会議で実際に議論され、これまでに治験ルールの緩和によるがん免疫療法の新薬早期投与などを実現した。

ITを駆使したアジャイルガバナンスの仕組みは迅速で無駄を省いた執行にも効果を発揮した。インド政府は新型コロナウイルス対策の大規模都市封鎖に踏み切った20年春、わずか1カ月足らずで1.6億人以上を対象に3665億ルピー(約5600億円)の直接現金給付を実現した。

給付のプラットフォームとなったのはインド版マイナンバー制度「アーダール」。個人情報の流出トラブルなどを起こしながらも機能の追加・改善や法整備を続けた約10年の努力が実を結んだ。

引用元:日本経済新聞2月1日電子版

政府と市民の連携や意思疎通を通じて、迅速に民意を吸い上げ実行することこそ、危機に瀕する日本の現状に活路を与えると考える。日本政府・関係省庁は是非ともITを駆使して迅速な政策実行がなされるよう知恵を出してもらいたい。

認知症の予防

各国が認知症を減らす対策を取らないと、世界の患者数が2019年の5700万人から50年までに1億5300万人と約3倍に増えるとの推計を米ワシントン大などのチームがまとめ、6日付の英医学誌ランセットの姉妹誌に発表した。

人口の増加や高齢化が主な原因。

日本は生活習慣の見直しといった予防策の効果が出るため、分析の対象国の中で最も増加率が低いとされているが、それでも412万人から約1.3倍の524万人になるとしている。

引用元:日本経済新聞電子版

 

日々ある「言葉や単語が出てこない」「何をしようとしていたか思い出せない」といった状態は、単なる脳の老化である。一方、認知症になってしまうと「食事をしたことを覚えていない」「今いる場所がわからない」というような、認識する力、記憶や判断する力に障害が出てくる。

認知症は一度なってしまったら、根治しない病気だ。未だ有効な治療法も見つかっていない。脳が健全なうちからの対策が極めて重要といえる。

認知機能は年齢と共に低下する。認知症にならないためには、どうしたらよいのだろうか?

一般的に知られているいくつかのポイントについて調べて整理してみた。
第一は、運動をおこなうこと、第二に食事に気をつけること。第三に、社会的な活動に参加することである。

ウォーキング

1)運動

様々な研究から、運動が認知機能低下と認知症の予防に効果があることが分かってきている。

脂肪を燃焼させる運動で生活習慣病とその先の認知症を予防

ひとつは、高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病などメタボリックシンドロームに由来する生活習慣病との関係だ。特にアルツハイマー型認知症は「脳の糖尿病」と言われるほど、生活習慣病と密接な関係にある。中年期以降のメタボを防止するための運動は、認知症の発症の可能性を減らすために大切である。

有酸素運動の効果

二つ目に、有酸素運動が認知機能の低下と認知症の予防に効果があることが報告されている。但し、有酸素運動が認知症予防に有効なことの具体的なメカニズムはまだわかっていない。

具体的に何をすればよいか?

先ずは手軽に始められるウォーキングから始めよう。ラジオを聴いたり、風景を楽しんだり、歩きながらできる楽しみを見つけるのが、続けるコツである。

また頑張りすぎないこと、日常の中に気楽に続けられるように組み込むのがコツだ。
運動習慣をつけて、健康な脳を保とう。

2)なぜ食事と栄養補給が対策になるのか?

糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病は認知症と強く関連する。認知症予防のために、食生活を見直そう。

糖尿になる病が認知症のリスク

男女ともに高齢になるほど、糖尿病の割合は増えており、平成29年度の国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」の割合が70歳以上の男性の25.7%、女性の19.8%にものぼった。

そして、糖尿病の高齢者はそうでない高齢者に比べて、認知症になる割合が約2倍にもなる。糖尿病の期間が長いほど認知症にかかるリスクが高いこともわかっている。糖尿病の原因は、ストレスや運動不足もあるが、脂質や糖質の高い食事が強く影響する。

高血圧・高脂血症が脳血管性認知症のリスクを高める

九州大学が50年間以上に渡って実施している「久山町研究」という生活習慣病の疫学調査研究によって、高血圧の人は正常血圧の人に比べて脳血管性認知症の発症頻度が、4.5倍~10倍もあることがわかっている。 (Ninomiya T,Hypertension,2011)。

また、高脂血症(脂質異常症)についても、正常値以上の中性脂肪やコレステロールにより、血液がドロドロになり、頸動脈にプラークと呼ばれる壁在血栓を形成し、脳梗塞の原因となる。高脂血症などを起因とする動脈硬化は、認知症を引き起こすリスクを高めると考えられている。

具体的に何をすればよいのか?

認知症予防に効果がある食事

認知症と食習慣の研究として、アメリカのラッシュ大学メディカルセンターの研究グループが2015年に発表した研究結果に「『マインド食がアルツハイマー型認知症を予防する効果が高い」というものがあります。日本人にもイタリア料理として馴染み深い「地中海料理」はオリーブオイル、ナッツ類、果物や魚介類を積極的にとる食事です。ダッシュ食は、高血圧を防ぐ食事の略語で、脂肪やコレステロールを控え、ミネラルを増やすことで、高血圧の予防と改善に効果があるとされる食事法です。これらをあわせた「マインド食」は、脳の健康を保つために積極的に取ると良い食材10項目と控えたい5項目をリストアップしており、日々の食事に取り入れやすくなっています。
積極的に取りたいオススメ食材
・緑黄色野菜(キャベツ・レタス・ほうれん草・ニンジン・ブロッコリー等)
・その他の野菜(ごぼう・大根・玉ねぎなど)
・ナッツ類(無塩のミックスナッツなどがオススメ)
・ベリー類(ブルーベリー・ラズベリーなど、抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれている)
・豆類(大豆・ひよこ豆など)
・全粒穀物(玄米や全粒粉のパンなど)
・魚(特にイワシ・サバなどの青魚)
・鶏肉(高蛋白・低脂質のムネ肉・ささみなどがオススメ)
・オリーブオイル(オレイン酸・ポリフェノールが豊富)
・ワイン(酒類で唯一のオススメ、ポリフェノールが豊富)
避けたい5つの食材
・チーズ類
・バターやマーガリンなど
※ただし、久山町研究では、日本人は乳製品を多く摂った方が認知症になりにくいと報告されています。そこには、元々が日本人は欧米人に比べて乳製品の摂取量が半分くらいである、という背景があります。
・お菓子(糖分や脂肪分が多いケーキ等)
・ファストフード
・脂肪の多い牛肉・豚肉

引用元:脳活総研

60歳代は塩分摂取量が最も高い!

日本人の食塩摂取量は世界的に見ても高く、厚生労働省は18歳以上の男性は1日あたり8.0グラム、女性は1日7.0グラム未満という目標を定めている。因みに世界保健機関(WHO)の定める食塩摂取目標は5グラム。平成29年度の国民健康・栄養調査では、男性平均10.8グラム、女性9.1グラムとなっている。更に、20歳代が最も少なく、60歳代が最も高い、という結果がでている。塩分のとりすぎは高血圧を招くので、減塩を心がけよう。

また、久山町研究では、白米やアルコールの摂取量を少なくした食事に、認知症予防の可能性があることがわかっている。

3)出かける、人と会う

認知症の予防にあたって、運動や食事と並んで、社会参加にも注目が集まっている。2012年の厚生労働科学研究班(研究代表者:近藤克則氏)の調査によれば、スポーツ関係・ボランティア・趣味関係のグループ等への参加の割合が高い地域ほど、転倒や認知症、鬱のリスクが低い傾向が見られると報告している。

人間関係が希薄になってきた現代では、社会的接触の乏しい生活をしていると、認知機能が下がりやすく、軽度認知障害のリスクが上がる。またうつ病が認知症のリスクを高めることはかねてから言われており、早めに精神神経科を受診しよう。
新しい社会活動に参加すると、逆に抑うつ傾向を高めるという研究もある。むやみに新しい活動に参加してストレスを溜めるのではなく、自分がストレスなく楽しめることが何より大切である。

具体的に何をすればよいか?

 

楽しみながら頭と体を使う能動的な活動を

体を使って、頭で考え、脳を活性化させよう。読書や映画が趣味という方は、受動的に見る・読むだけでなく、感想を言葉にしてまとめてみる、パソコンで書いてみる、誰かに読んでもらう、など能動的な活動することを勧めたい。

少しの変化に億劫がらず挑戦してみよう

人と会って話す、というのも大切。普段はなかなか話さない方と話してみよう。
人と会話する時に、相手の話に共感したり、どうしたら上手く相手に伝わるだろうと考えることは、脳への刺激となる。
「好奇心が大切」とはよく言われるが、普段の生活を、少しだけ変えてみることを意識的に行うだけで、新しい刺激になる。最初は億劫かもしれないが、最初の一歩、少しの変化に挑戦してみることが大切だ。

情報元:健康長寿ネット
情報元:脳活総研

ウイルスについて学ぼう

ウイルス

現在、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって3年目を迎える。

また新たなタイプのウイルス、「オミクロン型」が国内でも出てきて、そのワクチン接種等感染予防対策が進められている。

そもそもウィルスとは何なのか? 新型コロナの感染拡大はいつまで続くのか? どのような感染予防対策が効果があるのか?等々改めて調べてみた。

 

ウイルスとは何なのか?

細胞という固まりがなく、自分で仕事ができないという意味では、生物とは呼べない。
ただし、自分自身を複製するための情報は持っている。つまり、細胞ではない袋のなかに、自分自身と同じものをつくるための遺伝情報が、アデニン、グアニン、シトシン、チミン(AGCT)の記号で書かれている。

ウイルスと生物の違い

生物は細胞のなかに酵素や ATP (アデノシン三リン酸)などの分子をたくさん持っている。自らを複製するための遺伝情報に加えて、工場の仕組みや材料のようなものを持っていて、エネルギーを生み出している。
そして、細胞が自分自身の遺伝情報を複製して、自分のものと同様の細胞をもう一つつくって、分裂していくという過程を取る。

ところが、ウイルスはそうした細胞を持っていない。ただ袋のなかに複製するための遺伝情報が入っているだけで、自分を複製しようとした場合、ほかの生物の細胞のなかに入り込み、その細胞の力を搾取しなければ、増えていくことができない。

遺伝情報しか持たないウイルスの構造

ウイルスは非常に小さく、普通の細胞の 100 分の 1 から 1000 分の 1 程度である。
具体的な大きさは、数十ナノメートルから数百ナノメートル程度である。

構造としては、遺伝情報が書かれた部分の外側を殻が覆っている。AGCT で書かれた遺伝情報がむき出しだと壊れてしまうので、「カプシド」というタンパク質の殻で覆われている。
つまり、遺伝情報とタンパク質の殻だけしかないのが基本的構造である。

その外側にもう一つ「エンベロープ」と呼ばれる別の袋で覆われている構造のものもある。
エンベロープは脂質で構成されている。

つまり、タンパク質で囲まれたものと、その上にエンベロープという脂質の殻で覆われているものの2種類がある。

重要な点は、ウイルスの遺伝情報は、DNAであるか RNAであるかのどちらかしかないことである。

普通の生物は、DNA と仕事をする RNAの両方を持っている。DNA から RNA を生成して自分自身のタンパク質を合成する。
DNA は AGCT の配列が二重らせん構造になっていて、そこに遺伝情報が書かれている。それを一重にほぐして、意味のあるほうの鎖から RNA ができ、そして RNA からタンパク質ができる。

ウイルスが取り付く生物や部位は限定的

ウイルスは複製だけができる非常に単純なものである。
複製するためには他に取り付く必要があり、ある生物に取り付くことで、その仕組みを利用して自分を複製させる。

どの生物に取り付くのかという点は、非常に限られている。
そのため、ヒトに感染するウイルスとそうでないウイルスが存在したり、トリに感染していたものがヒトに感染するようになったりなど、さまざまなウイルスがあり、どの生物を利用できるかは非常に限られている。

それぞれの生物の細胞の表面には、タンパク質や分子の突起が存在する。ウイルスの側にも突起があり、その両方の突起が合致するものしか取り付くことができない。

生物ごとに細胞の表面にある分子の突起が異なるので、全ての細胞に対応できるウイルスは存在しない。したがって、取り付くことができるのは、ある特定の生物のある特定の細胞ということになる。

地球上の生物のほとんど全てがウイルスにたかられている

ウイルスの起源に関しては、よく分かっていない。しかし、植物でも動物でも菌類でも、生物の何もかもがウイルスにたかられている。

このように、ウイルスはありとあらゆる生物を標的としていて、その細胞機能を搾取して自分を増やしていくが、個々のウイルスが取り付く相手は非常に限定されている。

新型コロナウイルス市中感染
新型コロナ市中感染防止

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)

「COVID-19」という病気を引き起こす病原体の名称は「SARS-CoV-2」であるが、日本ではもっぱら病気の名前は「新型コロナウイルス感染症」、病原体の名称は「新型コロナウイルス」と呼ばれている。

SARS-CoV-2は2019年に中国武漢市で発見され、全世界に感染拡大した。
ウイルスの遺伝子配列からコウモリのコロナウイルスを祖先にもつと考えられるが、一部の配列がセンザンコウのコロナウイルスと似ているという報告があり、過去に2種類の動物コロナウイルスが遺伝子組み換えを起こした可能性が考えられる。

実際にどのような経緯でこのウイルスが人類に感染するようになったのかは明らかになっていない。

2022年1月5日現在、世界で感染が確認された人は2億9千万人、死亡者は544万人であり、以前のSARSやMERSとは伝播性と病原性において明らかに異なるウイルスであるといえる。

ヒトからヒトへの伝播は咳や飛沫を介して起こり、特に、密閉・密集・密接(三密)の空間での感染拡大が頻繁に確認されている。

従って、感染防止対策としては、マスクの着用、三密を避けること、外出を控えること、手洗い・うがいの励行が必要である。

高齢者や心臓病、糖尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人では、重症の肺炎を引き起こすことが多いが、20歳から50歳代の人でも呼吸器症状、高熱、下痢、味覚障害等、様々な症状が見られる。

一方、健康な人での重症例や死亡例も稀にではあるが確認されている。

子供への感染も頻繁に確認されるが、軽症もしくは不顕性であり、子供を介した高齢者への伝播が問題視されている。

有効性の高いワクチンが次々と開発され、前例のないスピードで人への接種が実現したが、その中でも新しい技術で作られたmRNAワクチンの普及が急速に実現したことは、人類の感染症対策における大きな前進といえる。

今後このウイルスは人類に定着して蔓延していくが、他の4種類の風邪のコロロナウイルスと同様に、人類と新型コロナウイルスが共存できるようになるためには、人類の方でワクチン接種率を高め、ウイルスに対する抵抗力をもった集団を作っていく必要がある。

情報元: 感染症疫学センター

情報元: 10MTVオピニオン

人生を楽しく生きるためのキーワード

高齢者の生き方

人生100年時代の今日、私どもはどのような心構えで、生きていったらよいのだろうか?

総務省が11月30日、2020年国勢調査の確定値を公表した。少子高齢化で経済活動の主な担い手となる生産年齢人口(15歳~64歳)は7508万人となり、5年前の前回調査から226万人減少した。
ピークであった1995年の8716万人に比べ約14%少ない。

日本が成長を続け、社会保障制度(医療、年金、介護)を維持していくには、国民一人一人が、健康で、能力を高め社会のために働き続けることが求められる。

定年は自分の人生の始まり

人生は大きく3つに区分される。

①(誕生~成人式)両親・学校に育ててもらう修行の時。②(会社勤務)社会・会社に依存して働く時。そして③(定年後の自分の人生の始まり)依存から自立へと自己改造を試み、自分のやりたいライフワーク(夢、仕事、趣味)を始める生涯現役人生の時に分けられると考える。

人生の大切なキーワード

世間で言われている高齢化に伴う悩みー健康・生計維持・生きがいの3つに対して、大切なキーワードとして健康、家族、経済基盤(勤労)、交友(友達)、好奇心があげられる。

1)健康ー体と心の健康

・規則正しい生活・病気予防
・健康寿命を延ばす―運動・食事・睡眠への気配り
・ニコニコ笑うこと

2)家族(安心・所属欲求)

・絆、助け合い、感謝、思いやり、傾聴・会話、笑顔
・先祖を敬う
・助けあう心に築くよい家庭、神様の栄光あり

3)経済基盤・勤労ー人間の基本的欲求達成のために不可欠

・自立ー生涯現役
・職業の選択ーやりたいこと、やれること、そして、需要があり社会が求めること
・世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯貫く仕事を持つということです(福沢心訓)

4)交友ー群れ集うのは3大本能の一つ

・仲間を作り、孤独を回避
・趣味/運動/地域活動の仲間
・ご縁に助けられ、ご縁を大切に生きる
・我以外皆我師ー学ぼうと心がける
・気心の知れた友人がいることは大きな慰み

5)好奇心ー行動の原動力、若さを保つ秘訣

・全ての物事に興味を持ち、考える習慣をつける
・楽しいこと、好きなこと、やりがい探し
・感動することー長寿を呼び、若さを保つ効果があり
・チャレンジ精神とプラス思考で夢・希望を追いかける
・芸術的な体験で右脳を使い、脳の活性化を図る

30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わってきた和田秀樹先生が著書「70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い」(詩想社新書)にて高齢者の生き方について説明されている。その内容をご紹介するので、参考にしてください。

70代は最後の活動期

現在の70代の日本人は、かつての70代とはまったく違う。格段に若々しく、健康になった70代の10年間は、人生における「最後の活動期」となった。

この時期の過ごし方が、その後、その人がいかに老いていくかを決めるようになったのだ。
70代に努力することで、要介護になる時期をできるだけ遅らせ、晩年も若々しさを保つことができる。
ただ、70代には特有の脆弱さがあることも事実。無自覚に過ごしていれば、自然と老いは加速していく。
そのため、老いを遠ざけようと意図的に生活することが求められる。

老いを遅らせる70代の生き方

著者が次のように提案されている:

・何事においても、「引退」などしてはいけない
・働くことは、老化防止の最高の薬
・ダイエットをしてはいけない
・70代になったら、人づき合いを見直そう

略歴:

1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって、高齢者医療の現場に携わっている。

引用元:和田秀樹著「70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い」(詩想社新書)

和田先生の考え方・生き方はなるほどとうなずける内容で、説得力がある。
ぜひ参考にして有意義な人生を元気に過ごしていただきたい。

腸内環境を整えよう!

腸内環境

新型コロナウィルス感染拡大第5波は急速に減少し、政府の緊急事態宣言は9月末に解除された。しかし、コロナとの戦いはこれで終息したわけではなく、今後も長期間続くと予測されている。

 

免疫の仕組み

そこで、注目されるのが「免疫」である。

免疫とは、体内に侵入したウィルスや細菌などの異物を攻撃・排除して体を守る仕組みだ。

免疫が働く仕組みには、「自然免疫」「獲得免疫」の2つがあり、免疫細胞は2段構えで防衛する。

 

抗体

抗体とは、特定の病原体に張り付いて無力化する物質で、免疫細胞が攻撃する目印になる。

また、獲得免疫細胞の一部は病原体の情報を記憶し、次に同じ病原体が体内に侵入したとき、早期に感染を食い止める。

 

サイトカインストーム

ところが、私たちの体を守ってくれる免疫細胞が活性化しすぎてしまうことがある。

その状態は「サイトカインストーム」と呼ばれる。

これが、新型コロナウィルス感染症を重症化させてしまう原因だ。

 

腸の重要な働き

サイトカインストームを防ぐ上で重要なのは腸である。何故なら、腸には全身の免疫細胞の約7割が集結しているからだ。

肥満・糖尿病・高血圧などの基礎疾患のある方、高齢者に共通しているのは、腸内環境が整っていないことがあげられる。そのため、新型コロナウィルスに感染すると重症化しやすいのだ。

このように、免疫力というのは腸内環境に支えられている。

 

腸内環境を整えるための3つのポイント

  1. 朝食・・・ 朝食には体内時計のスイッチをオンにしたり、免疫力と密接な関係がある自律神経を整える働きがある。ご飯とみそ汁、卵や海苔など朝食をしっかり食べよう。
  2. 運動・・・ 血流をよくし、腸の働きをよくするためにも、できれば毎日1時間ぐらいウォーキングをしよう。
  3. 睡眠・・・ 就寝の3時間前までに夕食を済ませ、入浴で深部体温をあげて、スムーズな入眠が得られるよう心がけよう。

 

健康的な日常生活を送ることが、腸内環境を整え、免疫力を高める上でとても大切である。

出典元:「悠々快適」2021年秋冬号 健康特集