若い世代への就業支援

労働省
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高齢者就業率の上昇

10月19日の敬老の日を前に、厚生労働省は、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の90,526人になったと発表した。

昨年から4,016人増え52年連続増加だ。厚労省によると、21年の日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳で高齢化が進んでいる。

総務省が敬老の日を前にまとめた2021年の65歳以上の就業者数は、20年比6万人増の909万人と、18年連続で増加し、過去最多を更新した。

就業率は25.1%、65~69歳の就業率は50.3%で、初めて5割を超えた。

9月15日時点の人口推計によると、65歳以上の高齢者人口は3,627万人と過去最多だった。総人口に占める割合は過去最高の29.1%となた。

因みに世界の主要国での21年の高齢者就業率は、韓国34.9%、米国18.0%、カナダ12.9%、英国10.3%、ドイツ7.4%だ。

日本の人口減少、労働力人口の減少が続く中、高齢者の労働参加を促し増加させていくことは、絶対に必要である。

現状、働く高齢者の75%程度が非正規雇用であることを考えれば、高齢者の持てる経験・能力をもっと活用できるような雇用環境の整備をいかに図っていくかについて、政府・企業、日本全体が知恵を出していかねばならない課題である。

若い世代の就業支援

国立社会保障・人口問題研究所の2021年「出生動向基本調査」によると、未婚の男女(18歳~34歳)のうち「いずれ結婚するつもり」という人は、男性で81.4%、女性が84.3%と過去最低になった。

結婚意向のある女性が希望する子供の平均数は1.79人と初めて2人を割り込んだ。男性も1.82人だ。

未婚率の上昇と夫婦が持つ子供の数の減少は、2021年の出生数を約81万人にまで減らした。

未婚化や少子化の傾向は以前から続いていて問題となっているが、このままでは、日本は経済力・国力がだんだん衰えて小国への道をたどっていってしまう。私どもは危機感をもって対処する必要があると考える。

若者を後ろ向きにさせている要因を詳しく調査・分析して、若い世代が将来に明るい展望を持ち、自分の希望を叶えられるよう人生設計を立て、その実現に向け明るく前向きに努力していけるようにしたいものだ。

それにはまず、若い世代への就業支援が求められる。収入が不安定では、結婚や出産を望むことはできない。

アルバイトや不定期雇用の非正規雇用を脱し、正規雇用への転換や成長業種への転職・移動が可能でなければならない。生産性向上を通じた企業の着実な賃金引き上げも不可欠である。

日本は失われた30年といわれるように、淘汰廃業すべき企業に対して保護・支援策を行って、そのような企業を存続させてきた。そのため生産性向上を図ることが出来ず、賃上げもできず、競争力を失っていった。

こんな過去の厳しい反省の上に立って、新しい日本の再構築をおこなっていこう。岸田政権が掲げる「新しい資本主義」において是非改革をしてもらいたい。

IT系職種の強化支援

IT系 職種
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コロナ禍は私どもの生活や働き方を変化させた。在宅勤務やリモートワークは増加し、働く場所を自由に選択できるようになってきている。明らかになったIT化、デジタル化の遅れを挽回すべくデジタル庁が設置されたし、企業もIT人材の採用・育成に注力している。

IT職種はパソコンされあれば、自由にどこでも仕事ができる。自分のライフスタイルに合わせて、仕事ができることは大きな強みである。

また女性の場合も、育児と仕事、家事と仕事を両立させることが出来るメリットがある。

このように自由度のある働き方が可能なIT系職種を強化、育成していく政策が、若い世代の就業環境を改善し、若者にとって望ましい支援となるだろう。

8月の内閣改造で3代目のデジタル相に就いた河野太郎氏は「デジタル改革は最大限加速して実現する」と9月9日の閣僚懇談会でこう宣言した。

デジタル庁発足から1年が経つ。デジタル庁は21世紀の日本の国の形を決める非常に重要な事業だが、残念ながらその歩みは遅い。

情報元:日本経済新聞電子版

コロナの入院給付金、支払い対象者の見直し

コロナの入院給付金

コロナ入院給付金

生命保険協会は、今年の生保各社の医療保険入院給付金支払い総額が、6月末までに約2893億円に達し、昨年1年間の支払い額のすでに4.6倍にあたる金額になっていることを発表した。
このうち9割、2650億円が無症状者をふくめた「みなし入院」感染者からの請求だった。
現行の保険制度では、軽症や無症状でも保健所の療養証明書があれば、医療保険の入院給付金を受け取ることができる。感染者の急増で病床があふれ、医療機関が逼迫する事態を防ぐため、自宅や自治体が指定するホテルで療養している人を実際の入院と同等に扱う「みなし入院」と呼ぶ措置を講じているためだ。
コロナ感染者になって、10日間の自宅療養を行えば、自宅療養でも入院給付金、入院一時金、特定感染症診断一時金と合計50万円も出るケースもあるという。
もちろん、これは新型コロナが第2類相当という扱いになっているためだ。
第7波で軽症や無症状の感染者が大半を占めるようになり、保険金目当ての検査が増えているという噂もある。給付金の受け取りを目的に、感染の疑いが出てから保険加入を申し込む事例もあるという。

もっとも民間の保険だから、加入者も保険料を支払っているわけで、実際に陽性になれば10日間、出社できないわけだから、その間、身体を休めつつ、コロナ保険で数十万円頂くこととの損得計算をした上での申請であろう。

 

入院給付金対象の見直し

軽症や無症状の感染者への支給が急増していること、また支払業務にあたる人員のやり繰りなど業務面の負担も重くなっている、そして感染症第7波の請求が秋以降に本格化すれば、支払額はさらに膨らみ、業績への影響も無視できなくなってきている。

このため日本生命保険や第一生命保険の大手生命保険会社は入院給付金対象者を見直す検討に入った。早ければ9月下旬から新たな基準を適用し、対象を65歳以上の高齢者や妊婦など重症化の恐れが高い場合に限定する。

新たな基準になれば、入院給付金を受け取れる対象者はこれまでより7割前後減る見通しだという。

日本は「衰退途上国」?

感染者の急増で医療機関が逼迫する事態への根本的な対策を怠って来たこと、その結果が、「みなし入院」措置を講じることになった経緯を顧みれば、今回の対象見直しは誠に場当たり的弥縫策の対応でありすっきりしない。
我が国は何事においても将来を予測・検討して必要な対応策・解決策を講じようとしないで、小手先の解決を図るやり方で対処してきている。これで先進国と言えるのだろうか?
今年5月に行われた日本経済学会春季大会のパネル討論で、パネリストの一人が日本は低い成長率を続けて世界から取り残されていく「衰退途上国」になってしまったと指摘したそうだ。
今日の対外的な大きなショックがあっても、企業の90%余を占める中小・零細企業は、価格転嫁すれば製品が売れなくなって倒産しかねないと、値上げをおこなわない。そのツケは結局賃金の抑制になってしまい、「衰退途上国」から脱却できない状況が継続していくことになる。

どのようにして、「衰退途上国」から脱却するのかに関して、当該日本経済学会は「ワイズスペンディング」が必要だということと、積極財政では成長率は高まらないということを指摘している。

人的資本

「人的資本」が今はやりのキーワードになっている。

多くの大企業が人的資本を高めようと、社員のリスキリングに取り組み始めているが、解決すべきは中小企業の雇用をどうするかということだ。

岸田文雄首相が掲げる「人への投資」がワイズスペンディングになるのだろうか?

政府が打ち出す具体的政策を注意深く見守っていこう。

骨太の方針に見る「人への投資」

骨太の方針

政府は6月7日、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。

「分配偏重」「市場軽視」ではないかという当初の批判に配慮してか、方針では「成長も徹底して追求」「市場も国家も」と、成長や市場も重視する意向を示した。

政策メニューに並ぶのは「賃金引き上げの推進」「貯蓄から投資へ」「デジタル、グリーンへの投資」…。いずれも日本経済が抱える懸案ばかりで、どこが「新しい」のだろうか。

日本は課題先進国と呼ばれるほど解決すべき問題はすでに明らかになっている。

それは「少子化・人口減少への対応」「エネルギーの安定供給と脱炭素の両立」「デジタル改革などによる生産性向上」「社会保障と財政の安定確保」などだ。

コロナ禍とウクライナという二つの危機は、改めてこれらの日本経済の弱点を浮き彫りにした。政府の役割は何か。山積する課題の解決策を国民に示して説得し、難しい負担調整を伴う改革を断行することだ。

骨太の方針をながめると、補助金など政府の財政支援が目につく。官民協調で新しい資本主義をつくるとしているが、国民の負担を伴う改革や、既得権益層の抵抗が予想される政策はほとんどみられない。7月の参院選をにらんだ政策集の色彩が強いのだろう。

引用元:日本経済新聞電子版

岸田文雄首相

人への投資

岸田文雄首相が訴える「新しい資本主義」は重点分野として「人への投資」を掲げる。
従って、その中身はどうなっているか、「人への投資」について詳しく分析してみよう。

人への投資の強化ー3年間で4千億円投資

成長のカギを握るのは、付加価値を生み出せる人材の育成である。人への投資は企業価値の差を生み出す要因になるとして、働き手がデジタルなどの新しい時代のスキルを身につけられるよう、3年間で4千億円規模の施策パッケージを新たに創設する。

国民が最も期待しているのは、現在起こっている急速な物価上昇・インフレに耐えられる生活の確保だ。それには賃金の引き上げが不可欠だ。

日本は人口減少の大きな制約があり、女性や高齢者の働き手が増えてはいるが、足元では労働力が頭打ちになっている。

日本は経済の地力を示す潜在成長率が2000年代半ば以降、1%にも届かず低迷している。経済協力開発機構(OECD)の21年のデータでは0.5%。ギリシャ(0.4%)やスペイン(0.6%)と同水準で、米国(1.8%)やドイツ(1.3%)との差は大きい。

至急デジタル化などに対応し、一人ひとりのスキルや生産性を高められなければ世界の成長から取り残されるであろう。

日本の人への投資の現状は官民とも先進国で最低水準だ。先を行く世界との差を埋めるのは容易ではないと考える。

 

労働移動の円滑化・人材育成支援

首相は経済財政諮問会議などの合同会議で「計画的で重点的な投資や規制改革を行い、成長と分配の好循環を実現していく」と述べている。

それには社会人のリスキリング(学び直し)、デジタルなど成長分野への労働移動、兼業・副業の促進、生涯教育の環境整備など解決すべき課題の達成に真剣に取り組む必要がある。

 

取組みを怠ってきたツケ

これまでなすべき取り組みを怠ってきたことのつけ・弊害は非常に大きい。
内閣官房によると、企業による人への投資額は国内総生産(GDP)比で10~14年に0.10%にとどまった。米国(2.08%)やフランス(1.78%)に比べ圧倒的に少ない。米仏が横ばいや増加傾向であるのに対し、日本は右肩下がりで差が拡大しているという残念な状況である。日本の人への投資の現状は官民とも先進国で最低水準だ。

日本企業は従来、人件費をコストとみなす傾向があった。だが、近年はデジタル化の加速などを背景に企業の競争力の源泉は従業員のスキルやアイデアとの考え方が広がってきている。

経済産業研究所の森川正之氏が日本企業のデータから試算したところ、教育訓練投資の累積額が2倍になると労働生産性が2.2%上昇した。特にサービス業は2.5%高まり、効果が顕著という試算だ。

新しい資本主義の計画規模に疑問

新しい資本主義の計画は従来の日本企業について「安価な労働力供給に依存し、コストカットで生産性を高めてきた」と総括し、軌道修正を図る。24年度までの3年間で4000億円を人への投資に充てると明記した。成長分野への労働移動で100万人を支援する。

しかし、みずほリサーチ&テクノロジーズの服部直樹氏の試算によると、潜在成長率を欧米並みの1%台半ばに引き上げるには官民の人への投資額を年3.9兆円まで増やす必要がある。今は1.6兆円にとどまり、なお踏み込み不足とみている。

服部氏は「より大規模な投資が不可欠」と指摘する。特に中小企業向けの税額控除や助成強化が不可欠とみる。ばらまきではなく、働き手の能力を引き出す施策が必要である。

デジタルスキル職業訓練の強化

デジタルスキルは職業訓練の講座の割合を今の2割程度から3割超に高めるという。また転職が容易になるよう外部の専門家と相談しやすい体制も整備する。

世界は先を行く。デンマークは職業訓練の内容を労使が協議し、ニーズにあうスキルアップを支援する。手厚い失業給付とセットの雇用政策はフレキシキュリティーと呼ばれ欧州各国に広がる。

スウェーデンは1974年に就学休暇と仕事復帰の権利を保障する教育休暇法を制定した。就労後の学び直しを国全体で後押しする土壌がある。米国では従業員教育を含む人的資本の開示が進んでおり、企業の投資を促す圧力にもなっている。

企業の情報開示ルールの見直し

企業の人的投資を促進するため、人的資本への投資の取組などの非財務情報について、有価証券報告書の開示情報の充実に向けた検討を行い、2022年中に非財務情報の開示ルールを策定する。

 

多様な働き方の推進

ウィズコロナ・ポストコロナの「新たな日常」「新しい生活様式」に対応した働き方として、良質なテレワークの定着を促進する企業支援を行う。 また、兼業・副業の促進、選択的週休3日制度の普及を図ることや、各種手続・規制の見直しなどにより、多様で柔軟な働き方を選択でき、安心して働くことができる環境の整備に取り組む。

 

女性や就職氷河期世代の支援

新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある中、一人一人の実情に沿った支援を行っていくため、デジタル分野での女性活躍も含め、女性や就職氷河期世代などの方に対するきめ細かな支援を行う。

 

フリーランスの環境整備

フリーランスが安心して働ける環境を整備するため、事業者とフリーランスの取引について、法制面の措置を検討するとともに、引き続き「フリーランスガイドライン」の周知や、窓口での相談対応(フリーランス・トラブル110番)等を行っていく。

 

人への投資はコロナ後の成長競争も左右する。シンガポール政府は21年に米ボストン・コンサルティング・グループと組み、転職希望者らがデジタル関連スキルを学べる取り組みを始めた。


これまで見てきたように、骨太方針に示された「人への投資」の施策は、当然やるべきことであり、
既存の政策の延長線上にある施策を列挙したように思える。

今後、企業の競争力や日本の成長力を高める実効的な具体策を打ち出せるかどうかが問われる。労働移動の加速には投資を手厚くするのと同時に硬直的な雇用システムの見直しを官民で進めることが必須である。

 

情報元:首相官邸ホームページ
情報元:日本経済新聞電子版

今を生きるために、何が必要か?

ワクチン接種を受ける女性
ワクチン接種を受ける女性

新型コロナウィルス感染が始まって3年目に入った今年には、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は終わるだろうと期待したのだが、残念ながら、変異ウイルス「オミクロン型」の出現で、その可能性はなくなったと言える。

免疫をすり抜ける力をつけたオミクロン型によって、社会が「集団免疫」を獲得するという構想はもろくも崩れてしまった。

ワクチン接種をすれば、個人の感染対策が万全となるわけではない。ワクチンは数か月でその効力が減少してしまう。ワクチンが万能ではないことは明らかだ。

感染しても自宅療養せざるを得ない医療のひっ迫状況がまたも生じている。個人としてやれることは、ワクチン接種に加えてマスクの着用、手洗い・うがいの励行、3密を避けるべく外出を自粛する等の自己防衛策が依然として重要だ。

世界のどこかで大きな流行が発生する状況が、当分繰り返されていくであろう。このような状態があと何年続いていくのだろうか?

日本はコロナの感染者が増え、医療がひっ迫するたびに、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を繰り返してきた。しかし、これまで取られてきた感染症対策や要支援者への対応は、満足できるものとは言えない。

また多額の財政出動も行っているが、国内総生産(GDP)はコロナ前の水準にまで回復するに至っていない。
これは、他の先進国が回復しているのに比べて、日本が潜在成長力を失っていることを意味する。

原油高などによる物価の上昇や金利の世界的な上昇、ロシアとウクライナとの戦争の勃発や北朝鮮のミサイル発射、米中二大国の対立・いがみ合いといった地政学リスクなど、世界情勢は日々変化してきている。

私どもの生活や経済社会活動が今後さらに落ち込んでいかないように、政府の機敏・適切な対応が求められる。

日本経済新聞2月10日付夕刊は、徳島大学が行なった新型コロナウイルス禍による自粛生活が人々に与えた心理的影響に関する調査結果を次のように報じた:「緊急事態宣言の発令が回数を増すごとにストレス状態にある人は減少する一方、社会的な孤立状態に追い詰められたと推定される人は増加した」。

徳島大山本准教授は「自粛生活は人々の社会的孤立を助長する恐れがある。非正規雇用が多いなどで若者や女性は影響を受けやすく、特に心のケアが必要だ」と指摘する。

私どもはどのように対処したらよいのだろうか?

コロナ禍で私どもの生活や働き方は一変してしまった。デジタル化、地球環境の変化に対応する脱炭素化、電気自動車に代表される技術革新、AIやロボット化、在宅リモート勤務、転職・副業・兼業による労働力の流動化、医療や教育面のデジタル化等・・・私どもは大きな新たな変化に順応して、環境に従順に前向きにかつ主体的に明るく生きていく必要があることを痛切に感じる。

特に変化のスピードに追い付いていないデジタル化の遅れについては、私ども各人が必要な知識、技術を学ぶことに積極的に取り組んでいくべきである。パソコンやタブレット端末を1人1台ずつ持たせる「GIGAスクール」構想は、教える立場の先生方のICT(情報通信技術)が低くて実施がスムーズに進展していない。

持て余す端末を返したいとの声が出ている現状は誠に情けない。将来の日本を担う子供たちへの教育こそ最優先課題として強化し、教員のレベルアップ、必要な人材の育成・確保を行っていただきたい。

変化・改革を行うことに慎重すぎる日本の古い体質から脱皮し、日本国民各人は変革への果敢な挑戦を行っていきたいと愚考する。

さもないと、私どもが生きている少子高齢化、人生100年時代を生き抜いていくことは難しいであろう。

 

日本の医療体制と機敏な統治

高齢者女性に話しかける男性スタッフ

 

新型コロナウイルスの2月6日の新規感染者は全国で約8万9000人で、6日連続で8万人超となった。東京都は日曜日としては最多の1万7526人で、大阪府も1万3325人に上った。感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。

コロナ禍で既に2年もたつが、医療体制は一向に改善されず、入院もできずに自宅療養するしかない感染者が増加している。コロナ危機にきちんと対応できない情けない現状は、なんとかしなければならないと考える。

医院のほとんどを占める小規模経営の医院は「医は仁術」ならぬ「医は算術」に走り、他人を思いやる利他のココロ・精神が忘れられていて、誉められない有様と思えてならない。

コロナ医療体制、社会保障制度改革など直ぐにも取り組まねばならぬ重要な課題は山積している。

この国の弱点である「決められない」「先延ばしにする」体質を危機の今こそ改めて、真剣に取り組む必要があると愚考する。

スピード感にかける政治・行政に対する改善策としては、日本経済新聞2月1日電子版に紹介されている台湾やインドにおけるアジャイルガバナンス(機敏な統治)の事例が大いに参考になると思う。

台湾では行政院のサイト「公共政策オンライン参加」を通じて年齢に関係なく市民が独自の政策アイデアを投稿できる。5000人の賛同を得た提案は省庁の会議で実際に議論され、これまでに治験ルールの緩和によるがん免疫療法の新薬早期投与などを実現した。

ITを駆使したアジャイルガバナンスの仕組みは迅速で無駄を省いた執行にも効果を発揮した。インド政府は新型コロナウイルス対策の大規模都市封鎖に踏み切った20年春、わずか1カ月足らずで1.6億人以上を対象に3665億ルピー(約5600億円)の直接現金給付を実現した。

給付のプラットフォームとなったのはインド版マイナンバー制度「アーダール」。個人情報の流出トラブルなどを起こしながらも機能の追加・改善や法整備を続けた約10年の努力が実を結んだ。

引用元:日本経済新聞2月1日電子版

政府と市民の連携や意思疎通を通じて、迅速に民意を吸い上げ実行することこそ、危機に瀕する日本の現状に活路を与えると考える。日本政府・関係省庁は是非ともITを駆使して迅速な政策実行がなされるよう知恵を出してもらいたい。

ウイルスについて学ぼう

ウイルス

現在、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって3年目を迎える。

また新たなタイプのウイルス、「オミクロン型」が国内でも出てきて、そのワクチン接種等感染予防対策が進められている。

そもそもウィルスとは何なのか? 新型コロナの感染拡大はいつまで続くのか? どのような感染予防対策が効果があるのか?等々改めて調べてみた。

 

ウイルスとは何なのか?

細胞という固まりがなく、自分で仕事ができないという意味では、生物とは呼べない。
ただし、自分自身を複製するための情報は持っている。つまり、細胞ではない袋のなかに、自分自身と同じものをつくるための遺伝情報が、アデニン、グアニン、シトシン、チミン(AGCT)の記号で書かれている。

ウイルスと生物の違い

生物は細胞のなかに酵素や ATP (アデノシン三リン酸)などの分子をたくさん持っている。自らを複製するための遺伝情報に加えて、工場の仕組みや材料のようなものを持っていて、エネルギーを生み出している。
そして、細胞が自分自身の遺伝情報を複製して、自分のものと同様の細胞をもう一つつくって、分裂していくという過程を取る。

ところが、ウイルスはそうした細胞を持っていない。ただ袋のなかに複製するための遺伝情報が入っているだけで、自分を複製しようとした場合、ほかの生物の細胞のなかに入り込み、その細胞の力を搾取しなければ、増えていくことができない。

遺伝情報しか持たないウイルスの構造

ウイルスは非常に小さく、普通の細胞の 100 分の 1 から 1000 分の 1 程度である。
具体的な大きさは、数十ナノメートルから数百ナノメートル程度である。

構造としては、遺伝情報が書かれた部分の外側を殻が覆っている。AGCT で書かれた遺伝情報がむき出しだと壊れてしまうので、「カプシド」というタンパク質の殻で覆われている。
つまり、遺伝情報とタンパク質の殻だけしかないのが基本的構造である。

その外側にもう一つ「エンベロープ」と呼ばれる別の袋で覆われている構造のものもある。
エンベロープは脂質で構成されている。

つまり、タンパク質で囲まれたものと、その上にエンベロープという脂質の殻で覆われているものの2種類がある。

重要な点は、ウイルスの遺伝情報は、DNAであるか RNAであるかのどちらかしかないことである。

普通の生物は、DNA と仕事をする RNAの両方を持っている。DNA から RNA を生成して自分自身のタンパク質を合成する。
DNA は AGCT の配列が二重らせん構造になっていて、そこに遺伝情報が書かれている。それを一重にほぐして、意味のあるほうの鎖から RNA ができ、そして RNA からタンパク質ができる。

ウイルスが取り付く生物や部位は限定的

ウイルスは複製だけができる非常に単純なものである。
複製するためには他に取り付く必要があり、ある生物に取り付くことで、その仕組みを利用して自分を複製させる。

どの生物に取り付くのかという点は、非常に限られている。
そのため、ヒトに感染するウイルスとそうでないウイルスが存在したり、トリに感染していたものがヒトに感染するようになったりなど、さまざまなウイルスがあり、どの生物を利用できるかは非常に限られている。

それぞれの生物の細胞の表面には、タンパク質や分子の突起が存在する。ウイルスの側にも突起があり、その両方の突起が合致するものしか取り付くことができない。

生物ごとに細胞の表面にある分子の突起が異なるので、全ての細胞に対応できるウイルスは存在しない。したがって、取り付くことができるのは、ある特定の生物のある特定の細胞ということになる。

地球上の生物のほとんど全てがウイルスにたかられている

ウイルスの起源に関しては、よく分かっていない。しかし、植物でも動物でも菌類でも、生物の何もかもがウイルスにたかられている。

このように、ウイルスはありとあらゆる生物を標的としていて、その細胞機能を搾取して自分を増やしていくが、個々のウイルスが取り付く相手は非常に限定されている。

新型コロナウイルス市中感染
新型コロナ市中感染防止

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)

「COVID-19」という病気を引き起こす病原体の名称は「SARS-CoV-2」であるが、日本ではもっぱら病気の名前は「新型コロナウイルス感染症」、病原体の名称は「新型コロナウイルス」と呼ばれている。

SARS-CoV-2は2019年に中国武漢市で発見され、全世界に感染拡大した。
ウイルスの遺伝子配列からコウモリのコロナウイルスを祖先にもつと考えられるが、一部の配列がセンザンコウのコロナウイルスと似ているという報告があり、過去に2種類の動物コロナウイルスが遺伝子組み換えを起こした可能性が考えられる。

実際にどのような経緯でこのウイルスが人類に感染するようになったのかは明らかになっていない。

2022年1月5日現在、世界で感染が確認された人は2億9千万人、死亡者は544万人であり、以前のSARSやMERSとは伝播性と病原性において明らかに異なるウイルスであるといえる。

ヒトからヒトへの伝播は咳や飛沫を介して起こり、特に、密閉・密集・密接(三密)の空間での感染拡大が頻繁に確認されている。

従って、感染防止対策としては、マスクの着用、三密を避けること、外出を控えること、手洗い・うがいの励行が必要である。

高齢者や心臓病、糖尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人では、重症の肺炎を引き起こすことが多いが、20歳から50歳代の人でも呼吸器症状、高熱、下痢、味覚障害等、様々な症状が見られる。

一方、健康な人での重症例や死亡例も稀にではあるが確認されている。

子供への感染も頻繁に確認されるが、軽症もしくは不顕性であり、子供を介した高齢者への伝播が問題視されている。

有効性の高いワクチンが次々と開発され、前例のないスピードで人への接種が実現したが、その中でも新しい技術で作られたmRNAワクチンの普及が急速に実現したことは、人類の感染症対策における大きな前進といえる。

今後このウイルスは人類に定着して蔓延していくが、他の4種類の風邪のコロロナウイルスと同様に、人類と新型コロナウイルスが共存できるようになるためには、人類の方でワクチン接種率を高め、ウイルスに対する抵抗力をもった集団を作っていく必要がある。

情報元: 感染症疫学センター

情報元: 10MTVオピニオン

腸内環境を整えよう!

腸内環境

新型コロナウィルス感染拡大第5波は急速に減少し、政府の緊急事態宣言は9月末に解除された。しかし、コロナとの戦いはこれで終息したわけではなく、今後も長期間続くと予測されている。

 

免疫の仕組み

そこで、注目されるのが「免疫」である。

免疫とは、体内に侵入したウィルスや細菌などの異物を攻撃・排除して体を守る仕組みだ。

免疫が働く仕組みには、「自然免疫」「獲得免疫」の2つがあり、免疫細胞は2段構えで防衛する。

 

抗体

抗体とは、特定の病原体に張り付いて無力化する物質で、免疫細胞が攻撃する目印になる。

また、獲得免疫細胞の一部は病原体の情報を記憶し、次に同じ病原体が体内に侵入したとき、早期に感染を食い止める。

 

サイトカインストーム

ところが、私たちの体を守ってくれる免疫細胞が活性化しすぎてしまうことがある。

その状態は「サイトカインストーム」と呼ばれる。

これが、新型コロナウィルス感染症を重症化させてしまう原因だ。

 

腸の重要な働き

サイトカインストームを防ぐ上で重要なのは腸である。何故なら、腸には全身の免疫細胞の約7割が集結しているからだ。

肥満・糖尿病・高血圧などの基礎疾患のある方、高齢者に共通しているのは、腸内環境が整っていないことがあげられる。そのため、新型コロナウィルスに感染すると重症化しやすいのだ。

このように、免疫力というのは腸内環境に支えられている。

 

腸内環境を整えるための3つのポイント

  1. 朝食・・・ 朝食には体内時計のスイッチをオンにしたり、免疫力と密接な関係がある自律神経を整える働きがある。ご飯とみそ汁、卵や海苔など朝食をしっかり食べよう。
  2. 運動・・・ 血流をよくし、腸の働きをよくするためにも、できれば毎日1時間ぐらいウォーキングをしよう。
  3. 睡眠・・・ 就寝の3時間前までに夕食を済ませ、入浴で深部体温をあげて、スムーズな入眠が得られるよう心がけよう。

 

健康的な日常生活を送ることが、腸内環境を整え、免疫力を高める上でとても大切である。

出典元:「悠々快適」2021年秋冬号 健康特集

 

マイナンバー健康保険証

マイナンバー健康保険証

日本が先進国とは言えない一つの事例として、マイナンバー健康保険証を取り上げ考察する。

 

政府広報ー健康保険証の運用

政府広報オンラインにて、「マイナンバーカードはすべての人の暮らしを便利にするためのカード」と広報を行い、2021年3月から、健康保険証として使えるようになるとうたっている。

ところが、使えるようにする制度改革が計画よりも遅れている。やっと厚生労働省はシステムの構築を終え、10月20日から運用を始める予定だが、実施は間違いなく延期されるだろう。

 

医療機関側のシステム対応

一方、医療機関側のシステム対応も進んでいない。カードリーダーの導入など、準備が整った病院や診療所、薬局はたったの5.6%しかない。

これでは大半の医療機関でマイナ保険証は利用できない状態だ。

マイナンバーカードの交付率は現時点で、人口の4割弱にとどまっている(何でまだその程度なのか?)。保険証として登録されたのは交付済みカードの1割しかない。

政府が補助金も用意してシステム対応を呼びかけているにも関わらず、医療機関の動きは鈍い。

何故なら、病院の2割強、診療所の5割強は、国が配布する顔認証付きカードリーダーを申し込んでもいない状況だからだ。

対応を見送っている医療機関からは、交付率が低いから、マイナ保険証を使いたいという患者ニーズが出てきたら考えるとの声が出ているという。

 

マイナ保険証実施への対応策

マイナ保険証

出典:マイナポータル

マイナ保険証を実施すると決めたのだから、それに対応するかどうかを病院や薬局の判断に委ねるのではなく、当局(内閣府、総務省、厚生労働省)は医療機関に期限を定めて対応を義務付けるべきだ。

 

マイナ保険証に期待する効果

マイナ保険証に期待する効果は患者の利便性向上だけではない。服薬履歴などデータを見たうえで診察や処方をすることで、重複処方を防ぐことも期待される。

年々増加している医療費の抑制につながる効果は計り知れない。デジタル技術を使った医療の効率化に協力することは、公的な医療保険から収入を得ている病院や診療所、薬局の責務だ。

また、国民は国が定めたことにはすぐに対応して、国の政策には積極的に従い、協力する義務があると考える。

 

関係官庁及び国民への要望

国は強制力を発揮してこの問題に対処すべきだ。そしてマイナンバーカードの普及を促進するべきだ。

そもそもマイナンバーカード制度は、政府広報がいうように「すべての人の暮らしを便利にするためのカード」なのだから、もっとスピーディに効率よくシステムを構築し、運用できるように全力で取り組むべきだ。私共各自もその重要性を認識し、すぐ行動しなければならない。

このような常識が通用しないことは国力の低下、民度の低下を意味する。このような状況を放置していると、日本は世界から完全に取り残されてしまう。

現に恐ろしいことが起こっており、誠に残念でならない。