新型コロナウィルス感染拡大第5波は急速に減少し、政府の緊急事態宣言は9月末に解除された。しかし、コロナとの戦いはこれで終息したわけではなく、今後も長期間続くと予測されている。
免疫の仕組み
そこで、注目されるのが「免疫」である。
免疫とは、体内に侵入したウィルスや細菌などの異物を攻撃・排除して体を守る仕組みだ。
免疫が働く仕組みには、「自然免疫」と「獲得免疫」の2つがあり、免疫細胞は2段構えで防衛する。
抗体
抗体とは、特定の病原体に張り付いて無力化する物質で、免疫細胞が攻撃する目印になる。
また、獲得免疫細胞の一部は病原体の情報を記憶し、次に同じ病原体が体内に侵入したとき、早期に感染を食い止める。
サイトカインストーム
ところが、私たちの体を守ってくれる免疫細胞が活性化しすぎてしまうことがある。
その状態は「サイトカインストーム」と呼ばれる。
これが、新型コロナウィルス感染症を重症化させてしまう原因だ。
腸の重要な働き
サイトカインストームを防ぐ上で重要なのは腸である。何故なら、腸には全身の免疫細胞の約7割が集結しているからだ。
肥満・糖尿病・高血圧などの基礎疾患のある方、高齢者に共通しているのは、腸内環境が整っていないことがあげられる。そのため、新型コロナウィルスに感染すると重症化しやすいのだ。
このように、免疫力というのは腸内環境に支えられている。
腸内環境を整えるための3つのポイント
- 朝食・・・ 朝食には体内時計のスイッチをオンにしたり、免疫力と密接な関係がある自律神経を整える働きがある。ご飯とみそ汁、卵や海苔など朝食をしっかり食べよう。
- 運動・・・ 血流をよくし、腸の働きをよくするためにも、できれば毎日1時間ぐらいウォーキングをしよう。
- 睡眠・・・ 就寝の3時間前までに夕食を済ませ、入浴で深部体温をあげて、スムーズな入眠が得られるよう心がけよう。
健康的な日常生活を送ることが、腸内環境を整え、免疫力を高める上でとても大切である。
出典元:「悠々快適」2021年秋冬号 健康特集